『The Great Gatsby』by F. Scott Fitzgerald - TopicsExpress



          

『The Great Gatsby』by F. Scott Fitzgerald ★★★★/5 映画を観終えて、徹夜で原作を読みふける。F. Scott Fitzgeraldの言わずと知れた20世紀のアメリカ文学の最高峰の一つ。F. Scott Fitzgeraldは、Virginia WoolfやMarcel Proustなどと並び、文体で読ませる作家だ(というのを大阪市大の英文学の授業で習った記憶あり)。Nick Carrawayが狂言回しの役になり、パーティー好きで、孤独で、そして一途な男Jay Gatsbyを語る。映画の「治療院」設定はなく、単純にNickが過去を振り返る構成になっている。淡々とした文体、装飾も少なめ。これを、あの過剰な絵に仕上げるバズ・ラーマンの仕事っぷりを改めて感心する。 Gatsby believed in the green light, the orgastic future that year by year recedes before us. It eluded us then, but that’s no matter — to-morrow we will run faster, stretch out our arms farther. . . . And one fine morning —— So we beat on, boats against the current, borne back ceaselessly into the past. 「ギャツビーは緑の灯火を信じていた。年を追うごとに我々の前からどんどん遠のいていく、芳醇な未来を。それはあのとき我々の手からすり抜けていった。でもまだ大丈夫。明日はもっと速く走ろう。両腕をもっと先まで差し出そう。……そうすればある晴れた朝に――  だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも。」 orgastic(陶酔にみちた、狂信的な)世界は、すでに過去(もしくはパーティーのまっただ中)にも関わらず、それを未来に求めたこと(緑色の燈火がその隠喩となっている)にGatsbyの不幸があり、同時に、妄想の中にこそ存在する幸福もあったのだろう。 哀しい哀しい、物語。
Posted on: Sun, 07 Jul 2013 03:04:38 +0000

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